平成28年度 文部科学省 国家課題対応型研究開発推進事業 英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業「福島第一原子力発電所構内環境評価・デブリ取出しから廃炉までを想定した地盤工学的新技術開発と人材育成プログラム」

成果報告書

■概要

 本事業では、実効性の高い技術に基づき福島第一原子力発電所の廃止措置を実現することを目指しており、5ヵ年計画の2年目となる平成28年度は、1年目に設定した個別基盤研究テーマの技術開発を実施すると共に、これらの技術を体系化し、原子力分野の技術者と協働できる新たしい地盤工学技術者を育成するプログラム「廃炉地盤工学」の構築を進めた。
 地盤工学会では、廃炉地盤工学の内容の充実を図ると共に、廃炉シナリオについて評価・検討し、地盤工学技術を活用したシナリオの創出を試みたほか、廃炉地盤工学技術を格納するデータベースを設計・構築した。また、これらと併行して、廃炉地盤工学の教材やシラバスを作成し、講演会を開催するなど、廃炉地盤工学教育システムの構築を進めた。さらに専用のホームページを開設し、情報の発信や廃炉地盤工学の認知度向上に努めると共に技術の集約体制を整えた。
 再委託先の早稲田大学では、デブリ取出し補助や構内除染廃棄物の一次仮置施設の仕様設計に資するため、放射性遮蔽性能を有する超重泥水や遮蔽性能と遮水性能の両方を有する覆土材について、材料仕様に応じた放射線遮蔽データ取得を行い、データベース作成に着手した。また、各技術の施工性検討のため、超重泥水の充填施工性について定量的に評価した。
 もう一方の再委託先である千葉工業大学では、長期間の地下水環境・作業環境状況調査のための地下水流動評価技術の開発基盤として、室内土層実験により現状把握と予測解析に展開するための問題点・課題を抽出・整理し、現場実証実験により地下水流動を把握した。また、広域・長期間の地下水環境変動予測技術開発のため、地下水理をモデル化し、概略地下水流動解析を実施した。

■報告書の構成

概略
1. はじめに
2. 業務計画
 2.1 全体計画
 2.2 本年度計画
 2.3 平成28年度の成果の目標及び業務の実施方法
3. 平成28年度の実施内容及び成果
 3.1 廃炉地盤工学を通じた人材育成プログラム
 3.2 超重泥水・各種覆土の放射線遮蔽性能評価(再委託先:早稲田大学)
 3.3 地下水環境等の解析・調査技術と予測技術の高度化(再委託先:千葉工業大学)
 3.4 研究推進
4. 結言

■平成28年度科学技術試験研究委託事業「福島第一原子力発電所構内環境評価・デブリ取出しから廃炉までを想定した地盤工学的新技術開発と人材育成プログラム」成果報告書