地盤工学会では、文部科学省に採択された「福島第一原子力発電所構内環境評価・デブリ取出しから廃炉までを想定した地盤工学的新技術開発と人材育成プログラム」を通じて、福島第一原子力発電所の廃止措置に向け、地盤工学的技術の貢献を促進するべく活動を行っている。
この一環として実施してきた一昨年度の「廃炉地盤工学の全体枠組み」についての講習会、昨年度の『廃炉地盤工学』の学問単元「地盤施工学」に焦点を当てた講習会に引き続き、今年度は「地盤材料学」と「地盤環境学」に焦点を当てて講習会を開催した。
■日時 :2018年12月18日(火)14:00~17:30
■場所 :地盤工学会(JGS会館) 地下大会議室
■参加人数 :86名
講習会では、前半が総論と施工を達成するための要求性能を有する材料の設計と開発について廃炉地盤工学委員会・地盤材料学WGで検討・議論してきた内容が報告された。その後、空間放射線(放射線対策)と地盤環境・材料についての講習を挟んで、後半は施工を適切に実施するために要求される作業環境等の整備と評価について地盤環境学WGで検討・議論してきた内容の報告が行われた。なお、質疑応答では、様々な施工経験・概念を有する参加者と福島第一原子力廃止措置の実現に向けた地盤工学的技術の展開について、活発な意見交換・議論がなされた。
■講習会プログラムと講師一覧
① 地盤材料学と地盤環境学の総論 ーーー 小峯 秀雄(早稲田大学)
② 超重泥水と材料配合・調合ーーーーーー 長江 泰史(テルナイト)
③ 施工から要求される材料性能 ーーーー 成島 誠一(西武建設)
④ 空間放射線と地盤環境・材料学ーーーー 後藤 茂(早稲田大学)
⑤ 地下水環境の測定と課題 ーーーーーー 竹内 真司(日本大学)
⑥ 地下水環境予測と数値解析 ーーーーー 鈴木 誠(千葉工業大学)