wood.社は原子力事業を幅広く展開する民間企業であり、英国の事故事例ともなったセラフィールド(Selafield)の廃炉も手掛けている。福島第一原子力発電所(以下、1Fと記す。)の廃止措置に向け、廃炉地盤工学の創生と発展を通じて貢献するためには、レビューを踏まえた検討が不可欠であることから、同社の技術者と意見交換を行うと共に英国における廃炉事業に関する考え方等の情報収集を行うことで、1Fのみならず我が国おける廃炉推進に向けた今後の活動に資するネットワークを築けるものと考え、本情報収集・意見交換は実施された。
初日は、wood.社を訪問し、原子力事業を担うwood nuclear部門の事業内容や研究・技術開発事項などについて説明を受けたのち、同社が有する研究施設について見学した。その後、同社と英国内の各大学との研究協力体制や分野ごとに協働して研究を進めている状況について説明を受けた。2日目に開催された意見交換会では、JGS側より1F廃炉に向けた廃炉地盤工学の目的や全体像について概説し、Discussion Topicsとして、①Technical Aspects(土質系材料の利用、サイト調査、汚染の浄化技術など)、②Social Aspects(英国における合意形成方法など),③Case of Fukushima(将来の課題)の3点について提示し、議論がなされた。
なお、当日の議事次第は以下に示すとおりである。
■議事次第
3. 廃炉に向けた建屋内・周辺の調査方法と汚染度の分類方法
4. ベントナイトペレットによるボーリング孔の充填性評価-模型試験および原位置試験の概要と結果の分析-